マザーボードの修理

お客様から、「PCが壊れたのでハードディスクの内容を消去して廃棄してほしい」という依頼がありました。
引き取って起動してみましたが、POST画面の部分でハードディスクを認識しませんでした。これはハードディスクのクラッシュかなと思いながらも、本体を分解してハードディスクを取り出して別のPCに組み付けると何の問題もなく認識されました。この状態でハードディスクはデータ抹消ツールで内容を消去し、廃棄処分としました。

さて、PCはエプソンダイレクトのAT-680C、中身のマザーボードはChaintecの6WPVという製品でした。何が悪いのだろうかとマザーボードを眺めていたら、基板上のアルミ電解コンデンサの中にてっぺんがふくらんでいるものがいくつかあるのに気がつきました。
「これだな!」と思うとともに、マイコン技術者の血が騒ぎ出しました。次に秋葉原に寄った機会にコンデンサを調達したのはいうまでもありません。
基板上のコンデンサは聞いたこともないメーカ(D.S)の6.3V、1000μFのもの。購入したのはニチコンのHE(M)、6.3V、1000μF。もっと上のグレードでもよかったのですが、ただ直してみるだけなので・・・。

頂部がふくらんでいました。正常(一見)なものと見比べると歴然としています。


はずしてみるとこの通り。底部のシールが破れ電解液が抜けてしまっています。合計3個。
本当は何でもなさそうなものも取り替えるのがベストですが、これで動くか確認できればいいと思い、パンクしているコンデンサだけを交換してみました。
交換後

交換作業後、マザーボードを組み付け、手元にあるハードディスクを接続し起動してみると、予想はしていたものの正常に起動しました。ハードディスクは正しく認識されています。
少し欲が出て、OSをインストールしてみました。最後まで問題なくインストールできました。
さらに欲が出て、もともとついていたCPUのCeleron500MHzをはずしてPentiumIII800MHzに換装、メモリも128MB増設して256MBにしてベンチマークを動かしてみました。これも問題なく動き続けました。

というわけで、マザーボード上の受動部品(電解コンデンサ)の故障によるシステム障害の実例と、その修理の実例を載せてみました。


交換に用いた三種の神器

ハンダごて、ハンダ吸取機、ハンダ吸取線

本格的なハンダ吸取機があるに越したことはありませんが、時間は少々かかるものの大概はこれで十分です。