その他の問題

加入者回線の問題加入者宅内の問題通信パラメータの問題までは通信に関わるところを検証してきましたが、ここではそれ以外の要因について考えてみます。
以上で見てきたようにADSLには大変デリケートなところがあります。今までのアナログモデムやISDNのTAによる通信では問題にならなかったようなことが、ADSLモデムを使った通信では大きな影響を及ぼしている可能性があります。
AMラジオの電波が影響することは先にお話しました。皆さんはAMラジオを聞いているときにPCの電源を入れたことがありますか。メーカ製のPCはVCCI(情報処理装置等電波障害自主規制協議会)の基準に準拠し、電波障害を低く抑えるように設計されています。私のところはノートPC以外は全て自作PCであるためどのくらいの雑音を発しているのかわかりませんが、AMラジオをつけている状態ですぐ近くにあるPCの電源を入れますと、明らかな雑音が聞こえてきます。ADSLに影響を与えるAMラジオに影響を与えるのですから、ADSLにも影響を与える可能性があります。
PCのみならずいろいろな家電製品が雑音源になって、ADSLに悪影響を及ぼしている可能性は否定できません。

影響を及ぼす経路として考えられるのは @電磁波の不要輻射  A電源コンセントを介した雑音の回り込み  が挙げられます。
周囲からの影響ではなくADSLモデム自体の故障・不具合もあるようです。また、フレッツADSLでは、1.5M専用のモデムや1.5/8M共用モデムを1.5/8M/モア共用モデムに交換したらリンク速度が向上したという例も多く報告されていますが、これもやってみなければ分かりません。

@電磁波の不要輻射

トラックの違法無線のような高出力ではありません。微弱な電波なので発生源からADSLモデムを離すことで対処できる場合があります。先に述べたように屋内電話配線の部分(並列線のため雑音に弱い)を極力短くするとともに、ADSLモデムを他の電気製品から離すように配置してみてください。リンク速度アップにつながる場合があります。
また、ADSLモデムを”マグネカット”のような電磁波シールド材で覆うのも一考かもしれません。


自分の例ですが、初めADSLモデムを他の電子機器と同じ金属製の棚(コクヨの本棚)に置いてありました。もちろん他の機器からはなるべく離すようにして配置はしてありました。ADSLモデムの電源投入からしばらくは高速で動くのですが、徐々に速度が低下してしまいます。もしやと思いADSLモデムを棚から取り出して少し離れた壁(50cm程度上)に取り付けてみたところ、徐々に進行する速度低下は発生しなくなりました。
恐らく金属製の棚が導波管のような働きをしたのだと思います。ちょっとした配置の工夫が好結果につながる場合もあります。

A電源コンセントを介した雑音の回り込み

商用電源ラインを使って家庭内LANやインターネットができる方式があるという話は聞いたことがあるでしょうか。家庭内で電源コンセント同士はつながっていますから、どこかに電源ラインに雑音を漏出するような機器があれば、その影響は他の機器に及びます。もっとも故障でもしていなければ強い雑音を出すわけではないので次のような対処で影響を回避できる場合も多いのです。
ADSLモデムは単独の電源コンセントから電源を取り、できれば雑音源となりそうな機器が接続されているのとは別系統から給電する。
ADSLモデムにアース端子があれば、アース線でアースを取る。


*雑音対策グッズ

うたい文句とは裏腹にあまり劇的な話を聞かないのですが、いろいろな雑音対策グッズがあります。効く場合もあるし効かない場合もある程度で試してみた方がよいでしょう。過度な期待は禁物です。できれば知合いのを借りてみて効果があれば購入するのがベストですが・・・。
ツイストペアモジュラケーブル
信号線用ノイズフィルタ
電源用ノイズフィルタ