光アクセスの概要

光アクセスの種類

光アクセスにはFTTH、FTTB、FTTCなどの種類があります。
FTTH(Fiber To The Home)
光ファイバを直接家まで引き込む形態です。もともとのNTTの構想では、電話回線も含めた形のB-ISND構想の終着点でしたが、現状はインターネットアクセス手段に関してのみの光化です。
FTTB(Fiber To The Building)
光ファイバをマンションなどの建物の共用施設まで引き込む形態で、ここからEthernetやVDSL(Very high speed Digital Subscriber Line)方式、HomePNA(Phonline Networking Alliance)方式により各世帯にインターネットアクセス手段を提供します。マンションに光ファイバを引き込む場合でも、各戸まで直接引き込むならばFTTHになります。
FTTC(Fiber To The Curb)
家の近くのRT(Remote Terminal)またはRT-BOXまで光ファイバが敷設されていますが、そこから家までは従来の電話線(銅線)が敷設されている形態(いわゆる光収容)です。
ADSLにもできずBフレッツにもできず、”ブロードバンド難民”の原因になっています。

光アクセス方式

光アクセスの方式にはSS(Single Star)方式とDS(Double Star)方式があり、現用のDS方式はPDS(Passive Double Star)方式でPON(Passive Optical Network)方式とも呼ばれています。
SS方式はセンタを中心にしたスター型の形態ですが、DS方式はセンタを中心にしたスター型の先にさらに光スプリッタを中心にしたスター型がある二重スター型の形態となります。
   
     
SS方式では100Mbpsの帯域を1ユーザで専有できますが、PDS方式では100Mbpsの帯域を複数のユーザで共有することになります。共有ということは、同時に通信しているユーザ数が多くなればそれだけ速度が低くなるということです。

一方センタ内装置を考えると、SS方式では1対1のためユーザ数増加に比例して増えますが、PDS方式では1対N(N≦32)のためユーザ数が増えてもSS方式ほど増えません。

コストの面を考えると、PDS方式では光スプリッタや共有ユーザ間の同期制御の必要から装置コストが高いのですが、共有ユーザ数が多いのでユーザ一人あたりの料金はSS方式より低くなっています。
さて気になる実際のサービスと上記方式との対応ですが、
SS方式
   Bフレッツ(ビジネスタイプ・ベーシックタイプ・マンションタイプ)
   TEPCOひかり
   BROAD GATE 01
PDS方式(PON方式)
   Bフレッツ(ニューファミリタイプ)
となっているようです。
参考
ユーザ宅内に設置される宅内装置(回線終端装置)の呼称は次の通りです。

  SS方式:メディアコンバータ
     メディア(媒体:線)を光ファイバからUTPケーブルにコンバート(変換)する

  PON方式:ONU(Optical Network Unit)
     他ユーザとの同期制御とメディアコンバータの機能を持つ

お宅で選べる光アクセス

まずお宅がサービス提供地域になっているかどうかを下記のサイトで確認してください。
NTT東日本のBフレッツ
TEPCOひかり
BROAD GATE 01
一戸建ての場合
上記FTTHで各戸まで直接光ファイバを引き込みます。各事業者のサービス提供地域になっていれば具体的にサービスを検討します。
サービス料金の比較は こちら をご覧下さい。
料金比較でわかるようにBフレッツ(ベーシックタイプ)が一万数千円の料金でダントツですが、あとはBフレッツ(ニューファミリタイプ)、TEPCOひかり・ホーム、BROAD GATE 01 TypeE ホームとも五千〜七千円台に並んでいます。
光アクセスの方式で述べたようにBフレッツ(ニューファミリタイプ)はPON方式ですが、TEPCOひかり・ホーム、BROAD GATE 01 TypeE ホームはSS方式です。
Bフレッツはプロバイダ乗り換え自由で複数のプロバイダを同時に利用可能ですが、TEPCOひかり・ホーム、BROAD GATE 01 TypeE ホームはそうではありません。
マンション(集合住宅)の場合
上記FTTBが原則ですが、事業者によってはFTTHで各戸まで直接引き込める場合もあります。
しかし、そうでない場合は建物の共用施設に光ファイバを引き込んで、そこから各戸まではEthernet、VDSL、HomePNAなどになります。したがって、単独で申込み・開通ということにはなりません。事業者によって数は違いますが、複数世帯の加入が前提でないと受け付けてもらえません。また、共用施設を使用するので管理組合や大家さんの承諾も必要になり、なかなかすんなりとはことが進まないようです。

光アクセス方式はSS方式にはなりますが、マンション内で分岐・共用しますので速度は低くなりがちです。
すでに建物内にEthernetのLAN配線が敷設されていれば、同時使用者数が少ない場合、高速な通信が期待できます。
しかし、LAN配線がない建物では、新たにLAN配線を敷設する費用や物理的な制約から、VDSL方式やHomePNA方式を使用するしかありません。これら方式でも改良が施され、VDSLでは最大50Mbps程度、HomePNAでも最大10Mbps程度の速度になってきました。

VDSL・HomePNAともメディアコンバータや集合装置の設置が必要で、これらには電源の供給が不可欠であるため、MDF室のような電源が供給でき施錠可能な設備がないと導入はできません。
VDSL(Very high speed Digital Subscriber Line)
すでに敷設されている建物内の電話配線を利用します。ADSL同様、アナログ回線を利用します。ADSLよりも高い周波数帯域まで使用するため高い速度が期待できますが、同じく高い周波数帯域まで使用するため伝送できる距離はかなり短くなります。
一部帯域がISDNと重なりますが、装置側の工夫等で干渉は回避されています。
VDSLにもいろいろな方式がありますが、1.5kmで下り最大13Mbps/上り最大1.6Mbpsというものもありますので、FTTCの”ブロードバンド難民”対策にも期待できます。
HomePNA(Home Phoneline Networking Alliance)
HomePNAという団体で決められた規格で、VDSL同様、既設の電話配線を利用します。使用する周波数帯域は下図の通りで、ISDNと干渉することはありません。

HomePNA1.0では最大1Mbpsの速度でしたが、2.0では1.0と互換性を持ったまま速度を10Mbpsまで上げています。BフレッツのマンションタイプではHomePNA2.0の規格の装置を導入しています。