ダイヤルアップ時の電話番号が変更されてしまった

アナログモデムやISDNのTAを使ったダイヤルアップ接続環境での問題です。
ADSLや光ファイバ・CATVによる常時接続環境では起こりません。

ある日、今まで接続していたプロバイダにつながらなくなったという経験はありませんか。ダイヤルアップ時の表示などが以前と何か違うと思って調べてみると、プロバイダに接続するためのアクセスポイントの電話番号とは別の番号が設定されているといった状態です。
これはダイヤルアップネットワークの設定が変更されて、国際電話やダイヤルQ2に接続されてしまうという危機的状態です。後日心当たりのない国際電話やダイヤルQ2利用料金の請求がきて初めて事の重大さに気が付いたというケースも枚挙に暇がありません。

2002年1月からダイヤルQ2が変わり、パスワードジャンルというのが設けられました。インターネットから接続が可能なのはパスワードジャンルとなりましたので、知らないうちにつながるということはなくなりました。

これはコンピュータウィルスやワームとは違いますが、意図的な迷惑プログラムによって惹き起されます。
典型的な例では、アダルトサイトなどのいかがわしいサイトを閲覧したときに、ダイヤルアップネットワークの設定を変更してしまうプログラムをダウンロードし実行してしまう、ようなことです。

何かメッセージが出てきたが反射的に〔OK〕ボタンを押してしまった、というような利用者側の不注意もありますが、
別の操作に見せかけて迷惑プログラムをダウンロードさせてしまう悪質な例も多いのです。

最近の被害は、意図せずに国際電話で国外のサイトに接続させられて国際電話料金が徴収されてしまうというものです。サイト運営業者が国外の電気通信事業者との間で、徴収した電話料金の一部を報酬として得られるような契約をしているのです。日本国内の国際電話サービス事業者は単に既定の料金を徴収するだけで、悪事に荷担しているわけではありません。国内の国際電話サービス事業者から国外の電気通信事業者に支払われた料金の一部が悪徳サイト運営業者に渡る仕組みです。

ダイヤルアップ時の国際電話使用例を挙げておきますので参考にしてください。

予防策

◎怪しげなサイトは閲覧しない。
◎サイト閲覧中に何かメッセージが表示されたら内容をよく確認してからボタンを押す。
◎ダウンロード時には確認メッセージが表示されるようにしておき、おかしい場合はキャンセルする。
◎時々ダイヤルアップネットワークの設定を確認し、心当たりのない電話番号になっていないかチェックする。
◎国際電話の利用休止手続きを取る。
国際電話会社5社で共同運営している国際電話不取扱受付センターに利用休止を届け出る。
国際電話不取扱受付センター
〒141-8790
東京都品川区西五反田2-19-3
五反田第一生命ビル本館
Tel:0120-210-364 (平日9時〜17時)
Fax:0120-210-535
◎NTTにダイヤルQ2につながらないよう設定してもらう。
2002年1月からダイヤルQ2が変わり、パスワードジャンルというのが設けられました。インターネットから接続が可能なのはパスワードジャンルとなりましたので、知らないうちにつながるということはなくなりました。
◎国際電話接続チェックプログラムをダウンロードしインストールする。
KDDI
NTTコミュニケーションズ
Cable & Wireless IDC
日本テレコム
◎次のように接続構成を変更する。
この問題はダイヤルアップネットワークによるインターネット接続を行っている場合に発生します。アナログ回線を使ってアナログモデムで接続している場合、ISDN回線を使ってTAで接続している場合が該当します。ISDN回線を使いダイヤルアップルータで接続している場合、この問題は起こりません。(ダイヤルアップルータを使ってはいても、モデムの接続ケーブルもつないでいるような場合は回避できませんのでモデムと電話回線をつないでいるモジュラーケーブルをはずしてください
問題はPCが接続先の電話番号をモデムやTAに指定することにより発生します。したがって、PCが接続先の電話番号を制御できないような接続形態にすればよいのです。下図の左の2例では接続すべき電話番号情報はPCが持っており、迷惑プログラムがこれを書き換えてしまうことができます。それに対して右の1例は電話番号情報を持つのはダイヤルアップルータです。PC内の迷惑プログラムはダイヤルアップルータ内の情報を書き換えることはできませんので安全です。また、ADSLやCATVによるインターネットアクセスでは電話番号が関係ありませんのでこの問題が起こることはありません。(くどいようですが、アナログモデムも電話回線に接続しているようではだめですので、この接続は不要なのではずしてください)
複数台のPCがあるような環境では、LANを組んでインターネットアクセスした方が効率がよいでしょう。その際には下図の右の例かADSL等を利用したLAN接続がお勧めです。意図しない国際電話への接続は行えません。

被害時の処置 (Windowsの場合)

◎勝手に追加されたダイヤルアップ接続設定を削除する。
Windowsのバージョンにより取り扱いが変わってきますので、ブラウザ側からのアプローチで削除する方法を挙げておきます。
ただし、ブラウザにはInternet Explorer (IE) を利用していることを前提とします。

IEを起動してメニューバーから 「ツール」 → 「インターネットオプション」 を選択します。
「接続」タブをクリックします。
表示されるダイヤルアップ接続設定の一覧の中から身に覚えのないものを選択し「削除」ボタンをクリックして削除します。
正当なダイヤルアップ接続設定を選択し、「既定に設定」ボタンをクリックします。
最後に「OK」ボタンをクリックして終了してください。

この手順で削除しても繰返しダイヤルアップネットワークの設定が書き換えられるようであれば厄介です。ご相談ください。