ノートPCの改良

ノートPCは価格が高い割に長持ちしないので嫌いです。とはいってもデスクトップを持ち歩くわけにはいきませんので私も使用しています。
私の使用機種は Gateway Solo3150 という機種で、1999年7月に256,940円で購入しました。
CPU Celeron 366MHz
メモリ 64MB
HDD 4.3GB
CD-ROM 24倍速内蔵
LCD 12.1インチ 800x600
LAN 100/10BASE 内蔵
MODEM 56K 内蔵
FDD 外付け
幅x奥行きx高さ 285 x 215 x 31(mm)
重量 2.2kg
当時LAN内蔵で2スピンドル(HDD,CD-ROM内蔵)の小型というとあまり選択肢がありませんでした。それとポインティングデバイスではタッチパッドは大嫌いでスティックのものを探していたのです。
すべての条件を満たしていたのが Gateway Solo3150 でCPUがPentiumIIやDVD-ROMを内蔵するモデルもありましたが予算との兼ね合いでこの仕様としました。
大きさはA4用紙よりちょっと小さめ(パソコン雑誌程度)なので、小ぶりのバッグに入れて持ち運べます。出先ではLANにさえつなげればFDDの必要はありません。
さすがに4年も使用しているといろいろ不満がでて、その都度改良してきました。

改良1 DVD-ROMを内蔵 (2000年3月)

DVD-ROMで供給される地図ソフト(ゼンリンのZII)が使用したくなり、内蔵のCD-ROMをDVD-ROMに交換しました。純正品の手もありましたが、秋葉原でバルクのDVD-ROMドライブ(東芝:SD-C2302)を入手し換装しました。
本体の色が黒なのに対してSD-C2302のベゼルは白、さらにPCカードスロットとの重なり部分はベゼルの加工が必要になりました。

同じ状況でうまくいかなかったがとの問い合わせがありました。
私の場合も全く問題がないわけではありません。こちらをご覧下さい。


改良2 メモリ増設 (2000年10月)

メモリはオンボード32MB+拡張32MBで、他に空きスロットはありませんでしたので、拡張32MBを取り外しメルコのVN133(128MB)に交換しました。これで160MBの容量になりました。

改良3 OSを Windows2000 Professional に変更 (2000年10月)

出先でも使用するのでセキュリティを考えてWindows98からWindows2000 Professionalに入れ替えました。
起動にやたら時間がかかるようにはなりました。

改良4 カーナビ化 (2001年3月)

アイ・オー・データ機器のUSB-GPSを接続してカーナビとしても使用できるようにしました。音声ガイドはありませんが。
使用している地図ソフトはゼンリンのZIII。
それなりに使えますが、ドライバ以外にオペレータは必須です。

改良5 バッテリ改造 (2003年5月)

ノートPCにとって最も致命的なのがバッテリの劣化です。私の場合も徐々に使用可能時間が短縮してきて、ついにはフル充電でも20分程度しか使用できなくなってしまいました。使用時間が1時間程度になった頃にGatewayに予備バッテリの購入を打診したところ、修理扱いなのでバッテリ単体の販売はしないといわれ憤激しました。程なくGatewayは撤退、バッテリ購入の道は閉ざされました。

中身がリチウムイオン電池なので二の足を踏んでいましたが、さすがに20分しか使用できないのでは困るので中身の自力換装に着手しました。
バッテリの外観と表示(14.8V 3200mAh)から、3.7V 1600mAhの18650といわれるセルの4直列が2組並列になっているものと推測し、3.7Vで1600mAh以上の18650のリチウムイオン電池セルを探しました。秋葉原では見つからず「現品限り」のサイト(吉野電装)で3.7V 1800mAhのセルを見つけ購入しました。

分解は初め雑巾を絞る要領でひねります。「ピシッ」ときたら割れたところから慎重に開いてゆきます。
一部接着剤で止められているところがありました。

分解してみると2本並列が4直列になっており推測とは違っていました。コントローラは各並列ユニット単位で状態を監視しているようで、各+電極からコントローラ基盤に配線がのびていました。

購入したセルはどれも3.7V以上の電圧があり問題なさそうでした。表示は18650GR SONY FUKUSHIMAとあり、郷里福島は本宮にある工場の製品。
電極にスポット溶接されたタブを活用して、セル本体への直接半田付けは回避しました。
最初はセル本体に熱をかけないようにとタブを手早く半田付けしたせいか、組み付けてPCにバッテリの認識をさせると”Battery Bad”と表示され途方に暮れてしまいました。しかしセル単体の電圧計測では問題なかったので半田付けに問題ありと判断し、再度ばらして十分熱をかけて(冷や汗ものでしたが)半田付けをし直しました。(半田ゴテは15W程度のものです)
その結果、今度は正常に認識したのでバッテリラーニングプログラムを走らせ換装終了。プログラム実行中も発火しないかと冷や冷やどきどきで監視していましたが、発熱もなくほっとしました。
満充電で2時間半以上連続使用できるようになり、少々冷や汗はかきましたがバッテリ換装大成功でした。
これで暫くは使用し続けることができます。

改良6 HDD換装 (2004年3月)

実は2003年の6月にバッドセクタのある6GBHDD(Hitachi DK23AA-60)をもらい、”ものは試し”と使用していました。バッドセクタもあるので、当初は試用にとどめるつもりでしたが、問題が出ないのでずるずると使用し続けていました。
しかし、残容量が300MB程度になったのと、このPCをネットワークモニタとして使用する案件が出てきたので、大容量HDDへの換装に踏み切りました。
製品はHGST(Hitachi+IBM)のTravelstar 5K80シリーズのHTS548030M9AT00という型番です。価格は秋葉原最安値の10800円(税別)でした。
30GB、5400rpm、UltraATA/100、buffer:8MB、流体軸受けという仕様です。
ちなみにHitachi DK23AA-60は6GB、4200rpm、UltraATA/66、buffer:512kB、
もともとのHDDであるHitachi DK238A-43は4.3GB、4200rpm、UltraATA/33、buffer:512kBという仕様です。

ときどきクリーンインストールを行うのは面倒なので、2003年6月に6GBHDDに換えた時点で、Windows2000をクリーンインストールしてSP4を適用し、Office2000等の多用するアプリをインストールした状態でDrive ImageにてMOにバックアップをとっておきました。
今回これを30GB新HDDに復元しました。空き容量が充分あるので、2003年にアップグレードしたゼンリンの電子地図Z6を市街地データも含めてインストールした結果、使用容量10GB、残容量17GBとなりました。

さて、使用感ですが、ある程度予想はしていたものの、かなり軽快になりました。起動時間も短縮され、アクセス音も小さくなり、万々歳です。
一応ベンチマークプログラムを使用して各HDD使用時のデータを取ってみました。
4.3GBと30GBHDDはシステムがクリーンインストール直後の状態、それに対して6GBHDDは使い込んでフラグメンテーションの状態でかつバッドセクタ有りです。
使用ベンチマークは「CrystalMark」です。
DK238A-43 DK23AA-60 HTS548030M9AT00
Mark 6647 6427 9731
ALU 1476 1353 1490
FPU 1457 1334 1470
MEM 1114 1016 1119
HDD 768 1051 3772
GDI 278 263 317
D2D 1554 1410 1563

HDD試験項目の詳細は
DK238A-43 DK23AA-60 HTS548030M9AT00
MB/s Score MB/s Score MB/s Score
Sequential Read 4.78 191 7.43 297 28.69 1147
Sequential Write 4.18 167 7.45 298 16.79 671
Random Read 512k 4.27 170 4.13 165 17.97 718
Random Write 512k 3.61 144 3.47 138 16.77 670
Random Read 64k 1.29 51 2.13 85 5.63 225
Random Write 64k 1.14 45 1.72 68 8.54 341

あとはCPUの換装くらいでしょうか、LCDのバックライトは問題なさそうです。
DVD-ROMをCD-RとDVD-ROMのコンボドライブに変更するかどうかも悩ましい問題です。
CPUはパッケージがMMC-1というものでPentiumII400MHzかCeleron466MHzが上限です。PentiumII400MHzはオークションで2万円弱程度であるようですが、そこまで出す気はありません。