加入者宅内の電話屋内配線の問題

@分岐がある

保安器−スプリッタの間で屋内配線が分岐していると、分岐部分の配線で拾う雑音が増加するので、このような分岐は取り外した方がよいでしょう。どうしても分岐が必要ならば自動転換器を使用し、スプリッタの後に設置した方がよいようです。

A配線長が無駄に長い

保安器−スプリッタの間の屋内配線は極力短くすべきです。屋内配線材は撚り線(ツイストペア)でなく並列線であるため雑音の影響を受けやすいのです。保安器−モジュラジャック(MJ)の間の屋内配線がどうなっているか分からない場合が多いと思いますが、この機会に調べてみるとよいでしょう。特に古い家屋では驚くような配線が行われている場合もあります。

Bモジュラジャック(MJ)からスプリッタ・ADSLまでが離れている

Aと同じことですが、モジュラジャック(MJ)からスプリッタまでモジュラケーブルを使って配線していると思いますが、このモジュラケーブルも撚り線ではありません。モジュラジャック(MJ)とスプリッタの間はできるだけ短いモジュラケーブルで接続し、線が余ったからといってループ状に巻くことは避けてください。余るようであればもっと短いモジュラケーブルを使ってください。線を巻くことによってアンテナとしての働きが増し、より雑音の影響を受けやすくなります。
スプリッタ−ADSLモデム間は付属の短い(20cm程度)ケーブルを使います。ここも極力離さないようにします。
ADSLモデム−PC間はLANケーブルを使います。LANケーブルは撚り線ですので長く引き回すことが可能で、規格上最大100mまで伸ばすことができます。
PCの設置位置がモジュラジャックから遠い場合は、ADSLモデム−PC間を長いLANケーブルで離してください。通常のカテゴリ5のLANケーブルは直径が5〜6mmほどあり配線すると邪魔になりますが、アンダーカーペット配線用のフラットタイプであれば比較的すっきり配線できます。
撚り線(ツイストペア)と雑音
画面に垂直な状態で一様な磁力線があるとします。これが変化すると変化を妨げる向きに起電力(誘導起電力)が生じて電流(誘導電流)が流れます。(ファラデーの電磁誘導の法則)
並列線の場合発生した誘導起電力(誘導電流)が累積するのに対し、撚り線の場合発生した誘導起電力(誘導電流)は相殺されます。この差が耐雑音性の違いになります。
撚りのピッチも実は重要です。LANケーブルで使用されるカテゴリ5やカテゴリ3というのは撚りのピッチが違っており、カテゴリ5の方が撚りのピッチが小さいので、より高速な通信に向いているのです。