光ファイバで常時接続

有線通信というと電線を使用して電気信号を伝送する有線電気通信が主流ですが、次世代の有線通信媒体として光信号で通信する光ファイバが多用されてきています。従来は中継系への利用が主でしたが、中継系への利用が進んだこともあり、いよいよ加入者系(FTTH:Fiber To The Home)への利用も進んできています。
NTTはもともと電話サービスも含めた形での光ファイバ化(ブロードバンドISDN)を想定していましたが、現状はインターネットサービスに限定した形で光ファイバが利用されています。NTTに限らず電力会社系や有線放送会社系の光ファイバインターネットサービスも始まっています。
加入者系の利用も進み始め、NTTでは「ひかり電話」というサービスで従来の固定電話に取って代わるサービスも始めました。
とはいっても、ADSLの場合は、既設のメタル(電話線)を利用することで、急激にサービス範囲を広げることができましたが、光ファイバは加入者宅まで引く必要があり、全国津々浦々に行き届くまでにはまだしばらく時間が必要です。
今後に期待しています。

光ファイバ通信の特長

高速
ADSLが好条件でも30〜40Mbps(1秒間に30〜40×106ビット)前後の通信速度であるのに対して、光ファイバの場合、100MbpsではADSLの2倍以上、1GbpsではADSLの数十倍の通信速度です。さらに、ADSLはほぼ限界状態であるのに対して、光ファイバは研究段階レベルですがTbps(T:テラ 1秒間に1012ビット)オーダーの速度が確認され、まだまだ高速化の可能性があります。
また、上り(局←加入者)も下り(局→加入者)と同じ高速度という点も特筆すべきでしょう。
耐雑音性
電気通信は雑音(電磁界雑音)との闘いです。これは電気信号を伝送する上で避けられないことです。ところが光ファイバ通信では電気信号の代わりに光信号を伝送しますが、光信号は光ファイバの周囲の電磁界とは無縁です。周囲の電磁界雑音に影響されることもないし、逆に周囲の電磁界に影響を及ぼすこともありません。したがって、ADSLで問題になるような他回線からの影響、AM放送電波の影響、周囲の電気製品が発する雑音の影響などを考慮する必要はありません。
長伝送距離
ADSLでは、もともと想定していなかった高周波電気信号を電話線に通していますので、わずか数kmで信号が大きく減衰してしまいます。それに対して光ファイバでは加入者系の距離程度で問題になるような減衰は発生しません。したがって、局に近い人も遠い人も変わらない通信環境が得られます。

利用可能なサービス

FTTH事業者 サービス名称 供 用 形 態 備     考
NTT東・西 Bフレッツ @ 回線提供のみ 別途Bフレッツに対応したプロバイダと契約する
東京電力 TEPCOひかり A 提携プロバイダを経由した回線提供 これに対応したプロバイダを介した契約で、プロバイダとのみ契約すればよい
有線ブロードネットワークス BROAD-GATE 01 B プロバイダを兼ねた回線提供 プロバイダの新規契約・乗り換えになる
ケイ・オプティコム
(関西電力系)
eoメガファイバー B プロバイダを兼ねた回線提供 プロバイダの新規契約・乗り換えになる
NTT−ME WAKWAKピアル B プロバイダを兼ねた回線提供 マンション向け
プロバイダの新規契約・乗り換えになる


料金を比較してみました。
光アクセスの概要はこちらをご覧下さい。

注意点

集合住宅にお住まいの方は注意が必要です。
NTT東・西のBフレッツでは、お宅がサービス地域に入ったからといって単独で申し込むことはできません。集合住宅内に光ファイバのための共用施設を設置する場合はオーナーや管理組合の承認が必要となりますし、ある程度の戸数がまとまらないと申込みを受け付けてもらえません。

さらには、住宅公団などでは入札等で業者が特定されてしまい、サービス選択の自由度がなくなってしまうことが考えられます。それでも光ファイバを導入できるのは良い方で、既存のマンションの中には管理組合の賛同が得られず、"ブロードバンド難民"と呼ばれる状況もあるようです。

東京電力のTEPCOひかりでは、3階までであれば道路の電柱から直接各戸に光ファイバを引き込むことができるようです。